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属性(ぞくせい、Alignment、アライメント)とは、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』・ファンタジー・ロールプレイングゲームにおいて、人々、生物、社会の持つ倫理上(秩序/混沌軸)と道徳上(善/悪軸)の見地を分類したものである。 初期の『ダンジョンズ&ドラゴンズ』では、キャラクターを作成する際に、プレイヤーは3種類の属性から選択することができた。秩序は社会の規則に敬意をはらい尊重することを意味し、混沌はその逆を意味し、中立はそのいずれも意味しない。『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』では2つ目の軸である善、中立、悪が導入され、その組み合わせにより9種類の属性が提供された。 9種類の属性は以下のように格子状に表すことができる。 9種類の属性の図式は第1版と第2版の『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』、その後継ゲーム第3版を通して使用された。2008年に発売された『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第4版では属性は5種類―秩序にして善、善、無属性、悪、渾沌にして悪―に減らされた。 ==歴史== 『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の創作者であるゲイリー・ガイギャックスは、マイケル・ムアコックとポール・アンダースンのファンタジー物語から属性システムの着想を得たことを認めた。1974年のダンジョンズ&ドラゴンズ・オリジナル・ボックスセットからの属性システムは当初、秩序、中立、混沌のみが使用された。秩序は概して善や英雄的行為と同等であり、混沌は無秩序と悪を意味した。しかしながら善と悪の並列は強く定義されてはいなかった。ドワーフは秩序、エルフは混沌であり、それに対し人間は3種類の属性のいずれでも有り得た。 リチャード・バートルは『Designing Virtual Worlds』で、属性は性別、種族(現実世界なら人種であろう)、キャラクタークラス、時に国籍などと共に、プレイヤーを分類する方法の1つであると指摘した。属性はロールプレイの手助けとなることを意図して作成された。プレイヤーはキャラクターに属性を割り当てる時に、彼がどのように振る舞うべきかを決定し、その決定に基づいてプレイを行う。秩序/混沌軸と善/悪軸が共に中立で交差する2次元の属性はAD&Dから採用された。「秩序にして善のキャラクターは慈悲深く公正である。秩序にして悪のキャラクターは規則通りにプレイするが慈悲がない。混沌にして善のキャラクターは良心を持った抵抗者である。混沌にして悪のキャラクターは自己の利益のみを追求するならず者であり、自分の欲望を遂げるためなら何でもするであろう」。他の5種類の組み合わせは、何らかの形の中立を含む。属性は変化することがあり得る。もし秩序にして中立のキャラクターが、中立あるいは悪の行動が可能であるにもかかわらず常に善行を演じるならば、その属性は秩序にして善に移行するであろう。それは主観的な問題であるため、ゲームにおいてはゲームマスター(あるいはダンジョンマスター)が属性のプレイに違反がなかったかを判定する。 プレイヤーキャラクター(PC)の属性は、彼らの人生観として見ることもできる。プレイヤーは自分のキャラクターが善、中立、悪かどうかを決める。プレイヤーはまた、キャラクターの属性が秩序、中立、悪かどうかを決める。中立にして善のキャラクターは「宇宙の均衡」については無関心であるが、自分の周囲の人々に対しては親切である。ゲームの初期の版における注目に値するキャラクタークラス制限として、パラディンは秩序にして善、ドルイドは真なる中立、レンジャーは混沌にして善あるいは中立にして善でなければならず、シーフは秩序であってはならない、というルールが存在した。属性はクレリックにとっても同じくらい重要である。D&Dの諸神格は「強力に設定」されており、彼らのクレリックは類似した属性を持たねばならない〔。 属性はゲームプレイのためのガイドラインであり単なる道具である。キャラクターがどのように振る舞わねばならないかの不変の基準などではなく、単にガイドラインとして用いられる。それでもやはり、グループ内のキャラクター達は共存可能な属性を持つべきである。秩序にして善のキャラクターは、共通の目的さえあれば秩序にして悪のキャラクターと共存できるが、混沌にして悪のキャラクターの加入はグループを分裂させるかも知れない。キャラクター達は彼らの仲間達の属性に何らかの影響を与えることさえあるかもしれない。秩序にして善のリーダーは、仲間達がより気高い行為を行うような影響を与えるかもしれない。『Dungeon Master For Dummies』の著者達は善か中立のキャラクター達によるグループがより良く機能するという経験則を得た。冒険に向けての動機付けはより容易であり、集団力学はより円滑となり、そしてそれは「D&Dの英雄にふさわしい態度を輝かせる」ことを可能とする。 このゲームでは既に本質的に善あるいは悪のクリーチャー作ることが可能ではあったが、その概念が初めて明示的に属性システムに導入されたのは『アドバンスト・ダンジョンズ&ドラゴンズ』(AD&D)においてであった。キャラクターやクリーチャーは秩序でありながら悪(例えば専制君主)、混沌でありながら善(例えばロビン・フッド)に成り得た。組み合わせにより、全部で9種類の属性が使用可能となった。例えば秩序にして善(LG)あるいは中立にして悪(NE)は2つともあり得る属性であり、秩序/混沌の要素が先に、善/悪の要素が後に記述される。秩序/混沌軸と善/悪軸が両方とも中立であるキャラクターやクリーチャーは真なる中立あるいは単純に中立と呼ばれる。このシステムは『D&D』 第3.5版まで使用された。 AD&D第2版のルールでは、キャラクターが自分の属性に反する行為をあまりにも多く行った場合、属性の変更が為され、次のレベルに到達するために必要な経験点が増加するというペナルティが加えられた。D&D第3版ではこの制限は廃止された。 D&D第3版でも、キャラクターの属性によって使用できるキャラクタークラスが制限されることがある。例えば、秩序のキャラクターはバードやバーバリアンにはなれず、ドルイドは少なくともどちらか1つの軸は中立でなければならず、秩序にして善のキャラクターのみがパラディンになることができる。特定の武器(例えばホーリィ能力の付加された武器)あるいは呪文(例えばディテクト・イーヴル)はクリーチャーに対し、その属性によって異なる効果を及ぼす。 同じ属性を持つ人々が暗示やほのめかしによって、別の属性を持つ人々には内容が理解できないように情報伝達を行うことが可能な''属性言語'' というルールが存在したが、最近の版では除去されている。 第4版においては、属性は混沌にして善、秩序にして中立、混沌にして中立、秩序にして悪が廃止されて1つの連続体に統合され、単純化された。残された属性は以下の通りである。 * 秩序にして善:文明と秩序。 * 善:自由と思いやり。 * 無属性:属性を持たない;立場を明確にしない。 * 悪:圧制と憎悪。 * 渾沌にして悪:無秩序と破壊。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「属性 (ダンジョンズ&ドラゴンズ)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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